ビラ配りで75日間も逮捕拘留。これが日本の民主主義か!

 自衛隊のイラク派兵反対を訴えるビラを東京都立川市の防衛庁官舎に配った市民3人が、住居侵入容疑で逮捕された事件の最高裁判断が示され、罰金20〜10万円が確定した。

 この事件の異常性は、2008年4月12日付朝日新聞の社説欄にも記述してあるとおり、3人が起訴後も保釈されず、75日間も警察の留置場などに入れられたことにあり、自衛隊派遣への反対運動を狙い撃ちにした捜査と疑われることにある。

 本来、不偏不党で市民の安全を守るべき警察が、国の施策に反対する市民を狙い撃ちにして異常な捜査を行う体質、これは許しがたいことである。日本の警察の犯罪検挙率が30%程度まで低下しているが、その原因は市民の安全よりも政府の思想統制の手助けに全力を注いでいるからではないか。
 また、こういう事件を見ると政府の言う愛国心教育の狙いが見えてくる。黙って国の言う事を聞く人間の育成ではないのか。

 私の家の郵便ポストにも不要なビラや宣伝ビラが入る。郵便ポストにビラを入れるためには、私の家の敷地内に一歩入らなければならない。私がビラ不要の掲示をして、それでもビラが入る場合、被害届を警察に出したら、警察はビラ配布者を逮捕するのか?そんな馬鹿なことはしないだろう。明らかにこの事件は、政府の施策への反対者の弾圧事件であることは明らかである。

 ちょっと前まで自民党議員たちが、暴力団や右翼の連中と非常に仲が良かったことは公然の秘密であった。昔は新聞にも良く載っていた。
 映画「靖国」が右翼の街宣活動を心配して上映を中止する映画館が増えている。このきっかけを作ったのが自民党の若手議連「伝統と創造の会」(会長・稲田朋美衆院議員)だろう。

 右翼の街宣車が片道一車線の下関市の199号線を時速10km程度でがなりながら走り走り、その後ろに1km位一般車が渋滞しているのを見たことがあるが、こんな不法な右翼を規制もせずに泳がしておきながら、一方でビラを配っただけの人間を逮捕して75日も拘留する。ここには正義も民主主義もないではないか。

 このように見てくると自民党は、自由な言論に圧力を掛けるために右翼を泳がせ利用しているとしか考えられない

 話は変わるが、鹿児島の踏み字事件で被告の元鹿児島県警警部補・浜田隆広(45)に全く反省の色がみられない。そもそもなぜ、浜田はこの事件を起こしたのか?朝日新聞に載っていた息子に県会議員を譲ろうとしていた県議との関係はどうなっていたのか?全く真実が明らかになる様子も無い。

 役人、公務員、財団のタカリ体質が問題になっているが、同じく警察による冤罪事件や内部不祥事隠蔽体質は極めて問題である。
 中国は公然と賄賂が横行する社会であるが、現在の日本に中国を笑う資格は無い。似たり寄ったりである。
 日本は政治的自己改革能力に極めて欠ける国であるから、この現状は長く変わらないだろう。
 日本の民主主義なんて所詮この程度のものなのである

(2008年4月13日 記)

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